知っておきたい正しいカルテの書き方

カルテとは、医師が診療した内容を記録する文書で、法律上の義務・実臨床での必要性・保険請求や医学教育の根拠など様々な目的があります。

この文書には、少なくとも診療者の氏名・性別・年齢・住所に加えて、病名や主な症状・治療方法(処方や処置)・診療の年月日を記載しなければなりません。

また、カルテは、問題指向型医療記録(POMR)という方法で記載することが推奨されています。

POMRでは、患者の抱える問題を明確にし、それぞれに対して主観的なデータ(S)・客観的なデータ(O)・評価や考察(A)・治療方針(P)を記録します。

これをSOAPと呼びます。

加えて、他の医療者が読んでわかるように書くようにしなければなりません。

そのためには、主観的意見と客観的事実をはっきり分けるだけでなく、根拠は陽性所見だけでなく陰性所見も書くことや鑑別診断や治療効果を明確にすること略語や省略は避けることといったの工夫が必要です。

なお、昨今では、電子カルテとしてコンピュータに入力することが一般的になっています。

手書きに比べて情報の共有や検索が容易になる・誤字や書き間違いが減る・保管や管理が楽になるなどのメリットがありますが、その反面いくつか注意すべき点もあります。

例えば、入力ミスや操作ミスによる情報の消失や改ざん・機器の故障やウイルス感染による情報の流出や破損・患者のプライバシーの保護などです。

そのため、電子的なタイプのものを使用する際には、これらのリスクに対する対策や対応をしっかりと行う必要があります。

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